運転手の確保が課題となっている京都市バス(京都市内)

運転手の確保が課題となっている京都市バス(京都市内)

京都市バスの乗客数と経常損益

京都市バスの乗客数と経常損益

 京都市の2020年度当初予算案のうち公営企業会計の市バス事業は2年連続となる赤字予算で、市営地下鉄事業は3年連続の黒字予算となり、明暗が分かれた。市バスは増客を見込むが、一部路線で運行を委託している民間バス会社が撤退して直営の車両が増え、収支が悪化する。地下鉄事業も多額の累積赤字に加え今後の車両更新に莫大(ばくだい)な費用を要するなど不安定要素が多く、両事業とも厳しい経営状況が続く。

 市バスの赤字予算の原因は、民間バス会社による運行受託の一部が撤退、縮小し、直営化による人件費の上昇と委託料の増加にある。全818台のうち約半数の運行を民間6社に委託し、経費を抑えてきた。しかし、近年の訪日観光客の増加などに伴い全国的にバス運転手が不足する状況を受け、京阪バス(南区)が19年度限りで撤退、西日本ジェイアールバス(大阪市)が受託の規模を縮小した。

 この影響で、20年度は市バス77台が市交通局の直営に戻ることになった。かつては民間運転手との給与差が大きかったが、18年度には市職員の運転手の平均月給は約47万円、民間は約45万円(従業員1千人以上)と縮まり、18年度末に見直した委託料も値上がりし、経費の圧迫につながった。

 直営で運行する車両が急増するため、市交通局は運転手と整備士を大量採用した。自前で運転手を養成するため、大型2種免許の未取得者も含め、2年間で計約230人を採用し、20年度の人件費は前年度比8億8300万円増加する。

 収益の柱となる乗客数は、敬老乗車証の利用者の増加で1日平均で前年度比4千人増え、10年続く増加傾向を維持する。定期利用が増える一方、定期外が減って収入の単価が微減し、大幅な増収は期待できない。こうした事情から経常赤字が前年度から400万円膨らみ5億3900万円の見通しとなった。

 地下鉄は、経常黒字が前年度比13億2900万円増の28億400万円となった。1日平均乗客数が定期利用の増加や市バス混雑回避で前年度比1万人の増加となり、9億円の収入増を見込む。ただ、企業債などの負債が3677億円ある上、28年度までに車両更新や烏丸線全駅の可動式ホーム柵設置など740億円超の設備投資が必要になり、着実な経営改善が求められる。

 市交通局財務課は「バス、地下鉄ともに厳しい経営状況が続くが、利便性を高めて増客により収益を上げたい」としている。