予約した簡易宿所に向かって鴨川沿いを歩く中国人の家族連れ(京都市内)

予約した簡易宿所に向かって鴨川沿いを歩く中国人の家族連れ(京都市内)

 京都市内でゲストハウスなどの簡易宿所の廃業が急増している。本年度は11月までの8カ月だけで97件に達し、前年度の年間件数を3割も上回っている。15日で住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行から半年たつが、京都市内では市による「駆けつけ要件」などの規制が厳しいため、民泊の届け出は伸びず、通年営業できる簡易宿所が2797件と過去3年で2倍近くに増えた。この結果、簡易宿所は供給過剰となり、早くも淘汰(とうた)の波にさらされている。

 市によると、簡易宿所の新規許可件数は16、17年度とも800件台だった。18年度は11月までに603件となり、このペースで増えると年間で900件台に届く可能性もある。一方で廃業件数も急増している。16年度は16件だけだったが、17年度は73件に上り、本年度は前年の2倍ペースで推移している。市や業界の関係者によると、競争激化を背景に値下げの動きが広がり、収益性が低下している。

 市が今年6月の改正旅館業法施行に合わせ、条例で簡易宿所に民泊同様の「駆けつけ要件」を義務づけたことも廃業に拍車をかけそうだ。一定の場所に管理人の駐在などが求められ、人件費負担が増す。既存施設などは20年3月までに要件を満たす必要がある。9月15日以降に申請された簡易宿所では適用が始まっているが、申請は数件にとどまっている。

 民泊新法に基づき市に届け出た民泊は半年間で299件。民泊トラブルの増加を踏まえ、市が年間営業日数を条例で上乗せ制限したことなどにより、敬遠する事業者が多いとみられる。全国では1万1018件で、京都市は他の主要観光都市に比べても民泊開業が抑制されている。その分、比較的規制の少ない簡易宿所が急増し「粗製乱造になっているのでは」との懸念が業界でも上がっていた。