無投票となったことを知らせる草津市長選のポスター掲示板(同市役所前)

無投票となったことを知らせる草津市長選のポスター掲示板(同市役所前)

 2月16日に告示された滋賀県第2の都市、草津市長選は現職の橋川渉氏(71)以外に立候補がなく、同市長で初の4選が無投票で決まった。市民からは「候補者の政策を見極める機会が奪われた」「挑戦する人がいないのが寂しい」との嘆きが出る一方、「失政のない現職に挑もうという候補はいないのだろう」と諦め交じりの声もあった。

 市民グループ世話人(77)=南笠東1丁目=は「市民とすれば、候補者の思いや施策を比較して選べるのが理想で、選択の機会を奪われ残念」と話す。英会話サークル代表(51)=野路町=は「14万人都市で無投票は寂しい。大津市の越直美前市長のように、われこそはと挑戦する若者や女性が現れてほしかった」と話し、会社員(41)=野路1丁目=は「挑戦したいと思う人が全くいないのは不思議」と首をひねる。「大きな失政がない橋川さんに勝てる候補はなかなかいないだろう」と野路町の男性(73)は推し量る。


 一方で、農家(48)=川原町=は「今の市政に大きな不満がないなら、無投票で市政の安定が保証される方が市民にとってありがたいのでは」と話す。
 県内の市長・町長選では栗東市(2018年10月)、守山市(19年1月)など、18年以降の計10回のうち4回が無投票だった。

 真山達志同志社大教授(行政学)は「候補者が自身の政策を切磋琢磨(せっさたくま)して練り上げる機会だけでなく、市民が政治への関心を高め、現状を理解する機会まで失う」と指摘。「政治家のなり手不足を解消するには、政治家が魅力的な職業に映るよう、社会に漂う政治不信の払拭(ふっしょく)に努める必要がある」と話す。