「とても納得などいくはずがない」などと記された被害園児の親のコメント

「とても納得などいくはずがない」などと記された被害園児の親のコメント

 大津市で昨年5月、散歩中の園児ら16人が死傷した事故で、大津地裁で17日に開かれた判決公判で禁錮4年6月が言い渡された。被害園児の両親らは、つらい心情に寄り添うような裁判長の説諭に涙を流し、その姿は終わりのない悲しみを伺わせた。

 昨年7月の初公判から、被害園児の両親や保育士は被害者参加制度を使って裁判に関わってきた。事故時のドライブレコーダーの映像を見たり、亡きわが子への思いを法廷で訴えたりしてきた。
 判決の瞬間、法廷は静まり、誰も厳しい表情を崩さなかった。しかし大西直樹裁判長が説諭で、被告の女(53)に「深い悲しみの中、裁判であなたの態度を見守った」と両親らの苦難に触れると、傍聴席の母親らは目をうるませた。
 さらに大西裁判長は「裁判を見守ることもできなかった、(亡くなった女児と男児の)声なき気持ちに向き合って」と猛省を促した。女児の父親は、涙がこぼれないようにするためか真上を向き、ハンカチで目元をぬぐった。
 閉廷後、被害園児の両親らはコメントを発表した。「裁判が終わっても生活は変わらず、傷が癒えるものではない」「被告人を忘れることはない」「納得できない」。帰らぬ二つの命があり、意識障害の残った園児や、今後も通院が続く見通しの園児がいる。
 判決が「自らの過ちの重大さに向き合えていない」と指摘した通り、被告のしょく罪は緒に就いたばかり。事故を受け、現場だけでなく各地でガードレールや防護柵の設置が進み、大津市では「キッズゾーン」が導入されるなど大きな影響を与えたが、安全対策も道半ばだ。
 被害者の誰もが、判決を区切りとは考えていない。事故の後、ある重傷女児の両親は「車は一つの判断ミスで大きな凶器に変わる」とメディアなどに訴えている。