八幡市長選で、現職の堀口文昭氏が新人を大差で破り、3選を果たした。

 堀口氏は健康増進や学力向上、雇用創出といった身近なテーマで、まちづくりの継続を訴えた。3選はこれまでの実績とともに、市民が市政の安定感を評価した結果と言える。

 だが投票率は29・64%と30%を割り込み、過去最低を大きく更新した。目立った争点がなかったとはいえ、地方自治の形骸化が問われかねない。

 堀口氏の得票数は全有権者の2割にすぎない。3期目に当たってはまず、批判を含めて幅広い市民の声に積極的に耳を傾け、丁寧に説明する姿勢が求められる。

 市は大きな転機を迎えようとしている。新名神高速道路は2023年度に大津―城陽間がつながり、全線開通する予定だ。市は南部の第二京阪道路八幡京田辺ジャンクション・インターチェンジ(JCT・IC)で接続する。

 高速道路網の東西軸と南北軸が交わる「近畿のへそ」(堀口氏)に位置することになる。まちの活性化にどう生かすかが問われる。

 市は物流の拠点を目指し、堀口氏は一帯での企業誘致や創業支援を通じて法人税収の増加を図り、膨らむ扶助費や福祉経費に充てるという将来像を描いている。

 現在の市の人口は約7万1千人で、堀口市政1期目が始まった8年前から3千人近く減った。高齢化率も30%を超えている。

 17年時点の市の財政試算では21年度以降、毎年10億円以上の収支不足が生じる。その後、市債残高などは改善しているが、新市庁舎建設やインフラの老朽化対策を控え、財源確保は急務だ。

 働き手が暮らし続けやすいと感じられる街であってこそ定住人口も増え、持続可能な地域となる。市民に寄り添ったまちづくりへの視点が不可欠ではないか。

 市南部の新興住宅地ではバス路線の接続など公共交通の不便さを訴える市民も多い。企業立地の動向も見据えて解決を図りたい。

 人口が減る一方で、住民の多様化は進んでいる。

 顕著なのは外国籍市民の増加だ。約1700人と10年前の倍、人口比では府内の市で京都市に次ぐ2番目となった。企業立地が進めば、この傾向はさらに際立つだろう。

 堀口氏は「住んで良しのまち」「まちの健幸(健康、幸せ)」を訴えた。実現するには、多様な市民が知恵と力を出し合える、柔軟な協働の仕組みづくりが欠かせない。工夫が求められる。