【資料写真】採取した姉川クラゲ(滋賀県米原市)

【資料写真】採取した姉川クラゲ(滋賀県米原市)

姉川くらげそばの試食会(大津市・龍谷大瀬田キャンパス)

姉川くらげそばの試食会(大津市・龍谷大瀬田キャンパス)

乾燥させた状態の姉川クラゲ

乾燥させた状態の姉川クラゲ

 滋賀県の姉川流域でかつて食されていたラン藻の一種「姉川クラゲ」を使った食品の商品化を目指す龍谷大農学部のプロジェクトチームが、姉川クラゲを練り込んだそばの試作品を開発した。18日には関係者を招いた試食会があり、チームは「地域資源の価値を再発見しながら、新たな特産品を生み出していきたい」とし、商品化に向けて手応えをつかんだ。

 姉川クラゲは、国内や中国の湿った場所などに自生し、一般にイシクラゲと呼ばれる。コレステロール濃度の上昇を抑制するなどの効果があるとされ、伊吹山麓の姉川流域ではみそ汁や酢の物に入れて食べられていた。

 消えつつある食文化をよみがえらせようと、龍谷大学農学部の教員や4学科の学生らが昨年度にチームを立ち上げ、研究を進めてきた。地元名物の伊吹そばと、つなぎに海藻を使う新潟のへぎそばにヒントを得て、そば作りを始めた。

 チームは同日、龍谷大瀬田キャンパス(大津市瀬田大江町)で試食会を行い、開発に協力した企業関係者らが東近江市の製麺所の協力を得てできた「姉川くらげそば」を、つゆにつけて味わった。姉川クラゲはそばの歯応えをよくする効果があるといい、参加者は「弾力があっておいしい」などと満足そうだった。チームで栽培法を研究する農学研究科1年水嶋悠太さん(22)は「研究を通して、今まで知らなかった滋賀の食文化が分かった。地域の特産として姉川クラゲが活用できるよう、栽培法を確立していきたい」と話した。

 チーム代表で同学部の坂梨健太講師(農業経済学)らによる研究報告もあった。「植物界のクマムシ」といわれるほど生命力が強く、「保存性や機能性も優れており、食品として普及可能」と説明したものの、まだ繁殖過程に謎が多く、現状では生産速度が追いつかないため、製品化には適切な栽培環境を作ることが課題とした。

 チームは今後、姉川くらげそばを学内の食堂で提供するなどし、商品化を模索していくという。