京都大学(京都市左京区)

京都大学(京都市左京区)

 直径約1ナノメートル(ナノは10億分の1)という極微小のチューブの中にある水分子が特殊な性質を持つことを発見したと、京都大のグループが発表した。高効率な水の浄化技術や燃料電池などへの応用が期待できるという。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに18日掲載された。

 水分子を構成する水素原子と酸素原子間の距離は約0・1ナノメートル。生き物の細胞膜にあって水分子を通すタンパク質などナノレベルの空間では、水分子は通常と異なる性質になると予想されていた。しかしそうした空間を作って、実験で観察することは困難だった。
 理学研究科の北川宏教授や大坪主弥助教らは、白金などを使って直径約1ナノメートルのチューブを開発。その中に水分子を取り込ませエックス線を使って分析した。その結果、通常の空気中とは異なり、水素イオンが高速で移動したり、温度低下に伴って分子の動きがなくなる「氷」の状態でも通常とは異なる構造になったりすることが分かった。
 大坪助教は「水の不思議な性質を明らかにできた。細胞膜にあるタンパク質の性質の解明や高効率の水の浄化膜作製など応用の幅も広い」と話した。