ドイツパンをはじめ、さまざまなパンが並ぶ店内(南丹市日吉町胡麻)

ドイツパンをはじめ、さまざまなパンが並ぶ店内(南丹市日吉町胡麻)

ドイツの民家を模した店の外観(南丹市日吉町胡麻)

ドイツの民家を模した店の外観(南丹市日吉町胡麻)

 店内のガラスケースは多種多様なパンで満ちている。丸形のドイツパン、フランスパンの生地を使ったオープンサンド、焼きサバサンド、地元産の小豆を使ったあんパン、庶民的なクリームパン…。

 「ゾンネ・ウント・グリュック」(京都府南丹市日吉町)の店主の作野徹さん(50)は「パンは日常と非日常が同居する。畑仕事の合間に近所のお年寄りに軟らかいパンを味わってもらえるのもうれしい。ドイツへ留学や駐在の経験がある人がパンを買いに来る。お客さんが喜ぶものを出したい」。
 周囲にのどかな田園風景が広がる店の外観はドイツの民家風の三角屋根。パン職人としての振り出しが神戸市のドイツパンの名店だったことから「ドイツパンがベースになっている」とこだわる。
 その後、東北や北陸、京都のホテルのパン部門や小売店などを渡り歩き、2007年に妻の実家のある日吉町で独立した。開店当初は食べ慣れないドイツパンに客から「硬い」と苦情があり、作らない時期もあった。
 一方で常連客から「楽しみにしている」と言われてドイツパンを再開。会員制交流サイト(SNS)で評判が広がり、京阪神からの来訪者が絶えない。今では自転車やバイクのツーリング客が立ち寄る場所になっている。
 3種類の天然酵母を使ったパン作りは仕込みから成形、焼き上げまで作野さんが一人でこなす。ドイツ語の店名を訳すと、「日と吉」の意味。近くには胡麻郷小があり、児童の通学路にパンを焼く香ばしい香りが漂う。
 作野さんは「子どもたちの中から、自分たちのように田舎で起業する子が出てきたらうれしいなあ」と願う。

 ゾンネ・ウント・グリュック 南丹市日吉町胡麻中野辺谷2。営業時間は午前8時から午後6時が基本。水、木曜定休。0771(74)0194。