家族とは会話できるが、学校などでは話せなくなる「場面緘黙(かんもく)」の子どもたちを対象に、京都西山短期大(京都府長岡京市粟生)が地域で支援する取り組みを行っている。不安障害の一つとされているが、気づかれにくく支援が行き届かないケースもあるという。周囲の理解と安心できる場の確立を目指し、関係者の模索が続く。

 講座は2016年から学内で開催され、これまで約100人が受講している。場面緘黙をより多くの人に知ってもらい、支援の輪を広げようと、2日、中央公民館(同市天神4丁目)でも初めて企画された。
 会場では、同短大の伊藤華野准教授が講師となり、親や支援者の歌に合わせて子どもたちが体を動かした。言語活動が不要な体遊びを中心に、親子で互いにふれ合って五感を刺激する。伊藤准教授によると、「自分の感覚と呼吸への意識づけを行い、不安と緊張をコントロールできるようにする」という。
 場面緘黙は幼少期の発症が多いが、家庭内では話すことができるため、親は気づきにくい。学校や保育所の教員も「おとなしい」「人見知りが激しい」とだけ判断し、発見が遅れるケースが多い。対人関係を学ぶ機会の減少や自尊感情の低下、集団生活になじめないことなどで不登校や成人後のうつなど、二次障害を起こす場合もあるという。
 伊藤准教授は「場面緘黙を見過ごされたままだと、生きづらさを抱えて成長する可能性がある」と指摘する。「本人の表現の仕方で判断するのではなく、内面に思いを寄せてもらえるよう、理解を広げていきたい」としている。