タカラバイオが商品化したハタケシメジ

タカラバイオが商品化したハタケシメジ

 タカラバイオは17日、ホンシメジなどを生産販売するキノコ事業を、来年3月にキノコ生産販売大手の雪国まいたけ(新潟県南魚沼市)に譲渡すると発表した。半世紀にわたるキノコ事業から撤退し、成長領域と位置づける遺伝子医療や研究試薬ビジネスに経営資源を集中する。

 タカラバイオが自治体と設立した第3セクターで、歯ごたえが特長のホンシメジやハタケシメジでトップシェアを握る瑞穂農林(京都府京丹波町)など2社の事業や雇用は維持される予定。

 キノコ事業は宝酒造が1960年代に参入し、70年にはブナシメジの量産技術を初めて確立。マツタケの人工栽培にも長年挑んだ歴史がある。2002年設立のタカラバイオが、宝酒造の子会社だった旧タカラアグリから事業を引き継いだ。

 キノコ事業の18年3月期の売上高は15億5千万円。赤字体質の脱却に向け、工場再編で16年3月期に黒字転換を果たした。だが競争力を強化するには規模拡大が欠かせず、遺伝子・バイオ分野に傾注する中で事業からの撤退を選択した。

 タカラバイオはこの日、保有する3セク2社の全株式を来年3月1日付で譲渡する契約を締結した。売却額は数億円とみられる。

 瑞穂農林は01年、旧瑞穂町(現京丹波町)がキノコの特産化を目指し、町と森林組合、タカラアグリの3者で設立した。現在の従業員数はタカラバイオ出向者も含め127人。

 親会社の宝ホールディングスは、来年1月にグループの健康食品事業を塩野義製薬の子会社に譲渡することを決定。キノコ事業も手放すことで、タカラバイオの事業を遺伝子医療や試薬分野に特化し、投資を加速する考えだ。