京都府庁

京都府庁

 国内での感染が拡大している新型コロナウイルスを巡り、感染者の情報をどこまで公表するか、国と自治体の対応が分かれている。2人の感染者が出た京都では、国が非公表だった内容を京都府と京都市が独自の判断で明らかにした。国レベルの公表基準がなく、各自治体が住民の不安解消と個人情報保護の兼ね合いを見極め、個別に判断する必要があり、対応は自治体間でも異なっている。


 府内で初めて感染者が確認された1月30日夜。厚生労働省は「京都府の20代女性」と市町村名も国籍も伏せ発表した。ほぼ同時刻に記者会見した府は独自に「京都市在住の中国人留学生」と公表。実際に感染者や接触者を調査する市と協議の上、市内に中国籍の留学生が一定数いることから「個人は特定されず、市民の安心感につながる」と判断したという。翌日には留学生の容体が安定していることを示すため血圧や脈拍まで公表した。
 感染症の発生やまん延予防のため、感染症法は国と都道府県に対し積極的な情報の公表を義務付けている。同時に人権尊重のため公表時の「個人情報への留意」も義務だが、公表基準は定められていない。
 厚労省は「疫学的に意味があれば情報を出す」とのスタンスで、現状では感染者の居住地は都道府県までにとどめ、それ以上の内容の公表は自治体任せだ。全国知事会は国に対し、情報公開の統一的な対応方針づくりを求めているが、感染経路や周囲へのリスクは感染例によってそれぞれ異なり、一律の公表基準を定めるのは難しい面もある。感染者が出ていない滋賀県も含めて、自治体が対応を模索している。