昨年の台風19号上陸から3カ月を越え、年が明けても、被害が最も多かった福島県には、避難所が残っていた。

 地震や豪雨などの大災害が起きるたびに、各地の避難所で被災者が毛布をかぶって寝転がる様子が伝えられる。冬季には、防寒具が不足しがちになる。

 災害から身を守るはずの避難所が、浸水してしまうという信じられない事態まで起きた。

 近年、災害が多発している。避難所を不足なく用意しておくことは、欠かせない対策だ。

 ところが、先週まとまった共同通信の全国自治体アンケートで、95%に及ぶ市区町村が、避難所の改善が必要だ、と認識していると分かった。

 憂慮される事態である。

 特に改善が急がれる項目を三つまで選んでもらうと、「カーテンやテントなどによるプライバシーの確保」(54%)、「段ボールベッドや簡易ベッドの準備」(43%)、「仮設トイレの用意」(40%)、「冷暖房の対応」(32%)などが上位を占めた。

 いずれも、人が暮らすのに、なくてはならない設備である。

 避難所の運営については、内閣府が2016年にガイドラインを定めた。災害の起きる前の体制づくりから、高齢者ら配慮を要する人たちへの対応までを、具体的に記述している。

 発災後に行うこととしては、トイレの確保・管理、避難者の健康管理、寝床の整備を挙げた。

 ガイドラインの内容について、市区町村は、よく知っているはずである。その方向で備えをしておくことは、可能とも考えられる。

 アンケートに対して、プライバシーの確保に向けては、「間仕切りを配備しているが、十分ではない」「テントが必要」などの回答があった。

 段ボールベッドについては「エコノミークラス症候群の予防に効果があるのは認めるが、高価で収容スペースも必要なため、備蓄が困難だ」、冷暖房の配備には「財政負担が重い」と訴えていた。

 ガイドラインに沿って避難所を準備しようと思っても、市区町村の対応だけでは不十分で、限界があるということだ。

 避難所の設置に関して、企業や民間施設と協定を結ぶ取り組みは、各地で行われている。加えて、近隣自治体同士の助け合いや、広域連携が求められている。国や都道府県の支援と対策の調整も、さらに強化すべきである。