メールが普及して手書きの手紙をやりとりすることは減ったが、それだけにもらうとうれしい。過去の自分から届いたなら、特別な感慨もあるのではないか▼小学校卒業時などにタイムカプセルに未来の自分への手紙を入れた人もいるだろう。自分を客観的に見られるからか、授業でも取り組まれているようだ▼千葉県の小学4年生、栗原心愛(みあ)さんの虐待死事件で、傷害致死などの罪に問われた父親の初公判がきのうあった。これに先立ち祖母が公開したのが、亡くなる3カ月前に心愛さんが書いた自分への手紙だ▼すでに虐待が続いてつらい状況だったとされるが「あなたは漢字もできて、理科や社会も完ペキだと思います」とつづる。「未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい」との結びにどんな思いを込めたのだろう▼心愛さんが未来を見ることはなかった。初公判で父親は「罪は争わない。深く反省している」と述べる一方で、暴行については一部を否定した▼手紙といえば「ゆるしてください」とノートに書いた東京都の船戸結愛(ゆあ)ちゃんを忘れられない。後を絶たない虐待死事件を受け、親に体罰を禁じる改正法が4月に施行される。これ以上悲しい手紙を増やさないために社会に何ができるのか。「あきらめないで」と問われているようだ。