新型コロナウイルスによる肺炎が拡大する中、全国でイベントを中止したり、縮小したりする動きが広がっている。

 不特定多数の人が集まることによる感染リスクを避けるためで、京都や滋賀でも、マラソン大会や講演会などの開催自粛や延期の決定が相次いでいる。

 感染力や感染経路がよく分かっておらず、現時点ではやむを得ない判断だろう。参加者を守り、感染を広げないことが何より重要である。

 イベント主催者は、中止にする場合も参加予定者や準備を進めた人たちに不利益が出ないよう、最大限配慮してほしい。

 厚生労働省は、主催者に開催の必要性を改めて検討するよう要請する文書を公表した。「一律ストップという段階ではない」(加藤勝信厚労相)として、主催者の判断に任せる姿勢を示した。

 開催する際には、参加者の手洗い推奨や消毒薬の設置、風邪のような症状がある人に参加しないよう依頼するなど、感染機会を減らす工夫を求めている。

 屋外のイベントでも、来場者の密集度合いで感染のリスクは変わる。重症化のおそれがある高齢者の参加が多く見込まれる催しは、特に注意する必要がある。

 会場での人と人との距離が、ポイントの一つとなろう。

 イベントの中止・縮小を巡っては、3月1日開催の東京マラソンが一般ランナーの参加取りやめを決めたが、主催者が参加料を返金しない方針を示したことで、走るはずだったランナーらから不満が出る事態になっている。

 準備だけで多くの経費がかかっており、返金は難しいのだろう。申し込んだ人たちには、補償のあり方を含め、納得できる説明を尽くす必要がある。

 今月25日からは国公立大の2次試験が始まる。京滋でも、感染かその疑いがあると診断された受験生のために追試などを行う大学がある一方で、特別の措置を取らないケースもあるなど、対応が分かれている。

 公平性を担保しつつ、柔軟な姿勢で進学機会の平等を確保してほしい。2021年に卒業する大学生らを対象に各地で会社説明会も予定されているが、中止の際にどんな代替措置を取るのかなど、迅速な情報提供に努めるべきだ。

 人混みを避ける対策として、従業員に在宅で仕事をするテレワークを推奨する企業もある。インターネットの活用も、有効な手だてになろう。