大学2回生の夏、多分あれは大学が夏休みに入った頃のことだった。それまでメトロには夜遅くから明け方までのイベントに遊びに行くことが多かった僕は初めて、いわゆる普通のライブの時間に行われるイベントに足を運んだ。

 きっかけは今となっては思い出せない。部活の先輩に教えてもらったのか、友達に誘われたのか、多分そのどちらかだった。

 その日のメトロにはいつもイベントに一緒に遊びに行く友達や、よくおすすめの音楽を教えあっていた先輩、あまり話したことがなかった後輩、よく行くレコード屋さんで何回か見かけたことがあるような気がする人なんかもいた。

 「感染ライブ」という名前のそのイベントは月1回行われているようで、入場料は1000円、ドリンク代はなし、そしてステージではなく、客席に機材が置かれたフロアライブというものだった。物販のテーブルの一角には「感染ライブラリー」というコーナーがあり、レコードやCD、雑誌やおすすめのテレビ番組を録画したDVDなどが無料で貸し出されていた。

 ライブが始まるまでの少しの時間だけで、僕はこの夜がなにか特別なものになるような、そんな気がしていた。