インクのついたローラーを手に持ち、ガリ版の印刷方法を説明する三﨑さん(東近江市八日市本町・ちょっと印刷所)

インクのついたローラーを手に持ち、ガリ版の印刷方法を説明する三﨑さん(東近江市八日市本町・ちょっと印刷所)

 滋賀県東近江市発祥の印刷技術「ガリ版」を体験できる店舗「ちょっと印刷所」がこのほど、同市八日市本町の本町商店街にオープンした。ガリ版を使った地域活性化に取り組む地域おこし協力隊員らが運営し、「市内の文化に親しんでもらえる場にしたい」と話す。

 ガリ版は1894(明治27)年、岡本村(現東近江市蒲生岡本町)の堀井新治郎、耕造親子が発明した。実家は現在、ガリ版印刷物の展示や体験ができる「ガリ版伝承館」になっている。
 
 ちょっと印刷所の発起人は、同市蒲生地区で2018年からガリ版によるまちおこしを進める協力隊の三﨑尚子さん(24)。「より多くの人に知ってもらいたい」と、人通りのある商店街で体験施設を開くことを決めた。知人で、ガリ版に関心があった製造業山本奈々子さん(27)も運営に加わり、昨年12月中旬にオープンした。

 印刷所では、2人のガイドを受けながら、ろうを引いた原紙に鉄筆で好きな文字や絵柄を描き、インクを付けたローラーを押しつけて紙や布に印刷。鉄筆で「ガリガリ」と音を立てながら原紙を削る感触や、ガリ版特有の手書きの温かみを味わえる。体験コースは千円から。シャツや布製のバッグに印刷するコースもある。
 
 昨年末には、年賀状のイラスト用に干支(えと)のネズミや同市伝統の大凧(おおだこ)を描いて印刷する人もいたという。三﨑さんは「興味を持った人が蒲生のガリ版伝承館に来てくれるようになれば」と話す。
 
 運営には3Dプリンターを駆使して造形制作を手掛ける会社員田之上博信さん(27)も参加。最新印刷技術で、プラスチック樹脂を使ったアクセサリーや看板を有料で制作している。
 平日のいずれか一日と土日曜の正午~午後6時に営業。営業日は画像共有アプリ「インスタグラム」のアカウント@tyotto.printingで発信している。