こけら落としの試合で「完売」なのに空席もあったサンガスタジアム京セラ(京都府亀岡市追分町)

こけら落としの試合で「完売」なのに空席もあったサンガスタジアム京セラ(京都府亀岡市追分町)

 2月9日、京都府亀岡市のサンガスタジアム京セラ(府立京都スタジアム)が開業した。サッカーJ2京都サンガFCの練習試合にもかかわらず、前売り券は完売、当日券はなかった。構想から28年。ようやく完成した球技場は、待ち望んだファンで満員になるだろう。と、思ってスタンドを見上げたが、なぜか空席が散見された。

 スタジアムは約2万1600席で、当日来場者は1万7938人(公式発表)。体調不良などで来られなかった人もいると思うが、3千席以上の空席が出るものなのだろうか。
 「完売なのに空席」は全国でも起こる。2015年のラグビー・トップリーグでは前売り券が完売したものの、約半数が空席に。企業関係者用に多くチケットを割り当てたことが原因と見られ、選手からも苦言が呈された。昨年のサッカー天皇杯のある試合でも、当日券が完売なのに空席が目立ち、運営が問題視された。
 試合を主管したサンガに聞くと、「購入者が来なかったということ。実際に来るかどうかは分からないので、当日券は販売しなかった」。一般向けの販売枚数や、関係者用の「枠」があるかどうかも含め、「非公表」と回答した。
 試合開始2時間前。サンガは事前にホームページで当日券がないことを告知したが、スタンド入り口前で「チケットゆずって」と記した紙を掲げる男性2人がいた。1人に話を聞くと、京都市山科区から来た40代の男性会社員で、20年来のサポーターという。
 「(サンガが)J1の時でも当日券のない試合はなかったので、少し期待していた」とがっかりしていたが、すぐ声を弾ませた。「感動しました。こんなに多くの人がサンガを見に来てくれて…。うれしい悲鳴です」
 試合開始後に再び訪れると2人の姿はなかった。譲ってもらえたのかもしれないし、諦めて帰ったのかもしれない。ただ、彼らのような熱心なサポーターにこそ、チケットに苦労せず素晴らしいスタジアムを体感してほしかった。