やる気を高めるAIの共同研究に使われるオムロンの卓球ロボット「フォルフェウス」(オムロン社提供)

やる気を高めるAIの共同研究に使われるオムロンの卓球ロボット「フォルフェウス」(オムロン社提供)

 機械が人の「やる気」を高め、能力を引き出すには、どのような働きかけが効果的なのか―。オムロンとゲーム制作会社のスクウェア・エニックスが、人と対戦する卓球ロボットを使った人工知能(AI)の研究を共同で進めている。

 工場自動化を主力事業とするオムロンは、製造現場で進める人と機械との協働に成果を生かしたい考え。スクウェア・エニックスは、仮想空間から現実空間へと広がるゲームの進化も見据え、AI技術を現実空間に応用する足がかりとする。

 オムロンは、強みのセンサーや制御技術を生かし、同社が掲げる理念「人と機械の融和」の象徴として卓球ロボット「フォルフェウス」を2013年に開発。最新の第5世代はプロ選手とのラリーも可能なほか、対戦相手の力量に合わせたプレーができる。

 スクウェア・エニックスは16年発売の「ファイナルファンタジー15」などで、キャラクターを動かすAIやゲーム全体を見渡す「メタAI」を使い、プレーヤーの状況に合わせて展開を変化させている。

 今回は開発中の第6世代「フォルフェウス」にメタAIを搭載し、人との対戦を通して進化させる。複数のカメラで対戦する人の表情や動作を捉えて感情を分析し、飽きていればラリーの返球を速くするなど変化をつけ「やる気」を高める手法を探る。プレーだけでなく音や画像による働きかけも検討する。

 共同研究は来年3月までで、1月に米ラスベガスの見本市で初披露した。オムロンは「研究を通して人と機械の融和を加速させたい」と期待。スクウェア・エニックスは「ゲームで培ったAI技術を現実空間の社会貢献に役立てたい」としている。