これまでに作った和紙人形を見つめる根本さん(京都府福知山市東中ノ町・根本たばこ店)

これまでに作った和紙人形を見つめる根本さん(京都府福知山市東中ノ町・根本たばこ店)

 京都府福知山市内の96歳の女性が和紙で制作した人形の作品展が、3月から市内で始まる。今にも動き出しそうな精密さで、約半世紀にわたり、庶民の暮らしの風景や昔話の一場面などを表現してきた。「人形ではなく、本物の人間として見えるように意識している。多くの人に見てほしい」と話す。

 同市東中ノ町にある「根本たばこ店」の店主根本キクヱさん。子どもの頃に遊んだ姉様人形を町で見たのがきっかけで、1973年頃から店番の合間を縫い、趣味で和紙人形作りを始めた。
 人形は和紙のほか、針金や綿などを材料にして着物や顔を作り、履物やかんざしといった小物も仕上げる。こいのぼりを揚げる祖母と孫、娘を結婚式に送り出す母親、かるた遊びを楽しむ子どもたちなど昔の人々の暮らしを表現したものが多い。昔話や歌舞伎を題材にした作品もあり、構図やポーズにこだわって配置する。
 和紙は東京の専門店から取り寄せ、綾部の伝統工芸、黒谷和紙を特注して作ったこともある。過去には店で和紙人形教室を開き、たばこの包み紙やフィルターなどを使ったペーパークラフト作品を共同で制作したこともある。
 今回の展示では、福知山藩の大名行列や盆踊りを表現した大型の作品を常設。季節に応じて人形を入れ替え、常時約30点を並べる予定。根本さんは数年前から視力が低下し制作のペースは落ちたが、「生きている限り作り続けたい」と創作意欲は衰えない。
 展示は3月22日から来年4月末までで、たばこ店横の貸店舗スペースをギャラリーとして使用する。午前9時~午後5時。無料。ギャラリーの開放日として決まっているのは同日と4月11、12日で、それ以外の日は、たばこ店に声を掛ければ見学できる。