船岡山公園の山頂。かつては大文字が見えたが、現在では樹木が生い茂り、見えなくなっている(京都市北区)

船岡山公園の山頂。かつては大文字が見えたが、現在では樹木が生い茂り、見えなくなっている(京都市北区)

 京都市は来年度、船岡山公園(北区、標高112メートル)で樹木の伐採などを進め、かつて市内を一望できた眺めの再生に取り組む。事業は4年計画で、最終年の2023年度には山頂部や園路沿いに桜を約60本植え、新たな桜の観光名所を目指す。

 船岡山は、清少納言が枕草子で「岡は船山」とたたえ、古くから景勝の地として親しまれてきた。市は1930~32年にかけて山全体を風致地区に指定し、35年には所有者の大徳寺から借り受け、公園を開いた。
 国の史跡指定もあり大規模な伐採をしてこなかったため、近年は樹木の繁茂が目立ってきた。以前は山頂から鳥居形(右京区)以外の五山を望むことができたが、現在は大文字(左京区)、妙法(同)、船形(北区)がほとんど見えなくなっている。
 市はこのほど予備調査を行い、伐採する樹木約500本を選定した。20年度は一般会計当初予算案に関連予算1150万円を計上し、約160本を伐採、剪定(せんてい)する。五山送り火や西陣の市街地を眺めることができるよう丘の東側や南側の斜面を中心に伐採するという。
 市が昨年1月に策定した「西陣活性化ビジョン」では、船岡山公園の魅力向上や歴史的価値の発信を進めるとしている。市みどり政策推進室の担当者は「住民や観光客ら多くの人に活用してもらえる公園にしたい」と話し、今後、公園全体の再整備も検討するとしている。