「中小企業・業界研究会」に参加し、マスク姿で企業の説明を聞く学生たち(京都市下京区・京都経済センター)

「中小企業・業界研究会」に参加し、マスク姿で企業の説明を聞く学生たち(京都市下京区・京都経済センター)

 2021年春卒業の学生を対象とする採用活動については、政府が説明会を3月、選考活動を6月、内定を10月以降とする日程の維持を決めており、今年も3月上旬には、大手就職情報会社や各大学は、京都・滋賀など各地で合同企業説明会などを開催予定だった。ところが、新型コロナウイルスの感染拡大で状況が激変している。

 「人が大勢集まるので正直、感染は怖い。だけど行かないと将来に関わってしまう」。京都経済センター(京都市下京区)で26日に開かれた「中小企業・業界研究会」。参加した佛教大3年の男子学生(21)は複雑な心境を吐露した。各地の説明会が相次いで中止されていることに「無駄に感染を広げるわけにはいかないのは分かるが、どうして僕たちの時期に…。せめてネット配信をもっと増やしてほしい」と要望する。

 京都府内29社が集まった研究会では、ブースを構えた各社が自社の事業について学生たちに紹介した。主催した京都商工会議所は、感染拡大を警戒して一時は中止も検討したが、「合同説明会が無くなると中小企業の採用に悪影響を及ぼす。学生も情報を得る機会が減ってしまう」(雇用支援課)とし、開催を決めた。

 会場入り口には除菌スプレーを設置し、参加者にはマスク着用を推奨した。ただ、京都光華女子大3年の女子学生(21)は「企業の担当者に顔を覚えてもらえる絶好のチャンス。マスクをしていいのかさえ迷う」と不安そうに話した。「学生としては中止される方がつらい。開催してくれてよかった」と語り、マスクを付けずに企業の説明に耳を傾けていた

 メーカー志望の京都造形芸術大3年の女子学生(21)は「夏に東京五輪が開かれる今年の就活は早期化すると警告されてきたので早くから準備してきたのに、企業説明会が次々にキャンセルになってとても不安」と焦りを募らせる。

 「リクナビ」を運営するリクルートキャリアは3月中の説明会をすべて中止。マイナビも3月1~15日に開催予定だった説明会の中止を決めた。

 大学側も対応に頭を痛める。京都大や京都産業大は、3月上旬の説明会を中止。滋賀大、同志社大、立命館大は予定通りイベントを開催するかどうか検討中とする。ある大学の担当者は「大学や企業からは開催を求められるが、感染拡大の懸念がある中、難しい決断だ」と複雑な心境をのぞかせる。