「一日一日おいしい魚を届ける日々を積み重ねるのが今の目標」と話す平島さん(守山市播磨田町・ととや平嶌)

「一日一日おいしい魚を届ける日々を積み重ねるのが今の目標」と話す平島さん(守山市播磨田町・ととや平嶌)

 平島さんが自宅駐車場に設けた店舗(守山市播磨田町・ととや平嶌)

平島さんが自宅駐車場に設けた店舗(守山市播磨田町・ととや平嶌)

 滋賀県守山市播磨田町の住宅街の一角で平島昭人さん(41)が鮮魚店「ととや平嶌」を営む。店内には毎朝、福井県小浜市の仲卸業者から買い付けたり、京都市中央卸売市場で自ら調達したりした鮮魚のほか、焼き魚や干物が並ぶ。扱うのは天然物のみ。「同じ魚であっても脂肪分など身の質が異なるのが天然の面白さ」。ブリやヒラメなどの白身魚は最大2週間ほど寝かせて甘みを引き出すなど、魚のうま味を最大限引き立たせる。

 滋賀県今津町(現高島市)出身で、幼い頃から湖魚に触れて育った。料理人を目指していた24歳の頃、米国で1カ月間一人旅をし、自分が日本人だと話すと「魚はさばけるか」「すしは握れるか」と尋ねられ、「日本は魚食文化の先進地であると改めて気付かされた」。料理の道を進むなら魚を扱えるようになりたいと帰国後、草津市内の鮮魚店に就職。13年間、魚の種類に応じた絞め方や包丁の入れ方、最適な調理法などを独学で研究した。
 「いろいろな魚を扱ったという自信が付いた」と2017年に独立を決意した。小学校低学年だった娘2人を見守るため、自宅駐車場に小屋を建てて調理場を設置した。当初は移動販売を中心に考えていたが、写真共有アプリ「インスタグラム」に仕入れた鮮魚を投稿すると話題を呼び、遠方からも足を運ぶ客が増えた。現在は店舗のみの営業で、「滋賀の人に海の魚のおいしさを知ってほしい」と腕を振るう。
 若い世代で魚離れが進む現状に懸念を募らせている。「骨があるというだけで魚を遠ざけてしまうのは悲しい。スーパーより高いかもしれないが間違いなくおいしいものを届け、対面販売で魚の良さを伝えたい」