「3月はライオンのようにやってくる」とは英国のことわざだ。人気マンガの題名の由来にもなったので、ご存じの方もいるだろう▼春先の荒い天候のことを言っているそうだが、日本の3月はライオンどころでは済みそうにない。荒くて粗い政治のことを言っている。安倍晋三首相が全国の小中高校、特別支援学校の長期にわたる臨時休校を要請した▼新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとの狙いはもっともだが、あまりに唐突である。親が共働きの家庭などにしわ寄せが及ぶようなことになれば、不安と混乱がかえって広がりかねない▼これまでの対応には「後手後手だ」との批判があり、支持率も急落していた。「この1~2週間が急速な拡大の瀬戸際」という専門家会議の指摘を受けた形だが、瀬戸際は政権も同じではないか▼きのうの本紙窓欄「八ぴゃ句」に「感染予防 手洗い、うがい、タイの頭も洗います」とあった。それでなくても山積する疑惑に答えず、政権トップとしての責任が果たせていない。今度こそ不都合な情報であってもしっかり示しながら、国民への丁寧な説明を心がけてほしい▼冒頭のことわざは「子羊のように去る」と続き、天候はおだやかになるという。未曽有の対策を経て去ってくれるのはウイルスか、それとも…。