その夜、出ていたバンドはジャンルも編成もバラバラだったけど、とにかくどの演奏も本当にかっこよくて、いつのまにか一緒に来ていた友達とも別々の場所でそれぞれ一人でライブを見ていた。なんとなく、一人で見たほうが良いような気がしたんだと思う。

 フロアにバンドセットの機材のスペースとDJや打ち込みのセットのステージが準備されていて、交互に矢継ぎ早に演奏する感じがとにかくかっこよかった。

 「感染ライブ」を主催していたのはodd eyesというバンドだった。出番になると、レコード屋さんで何度か見たことがある人がひとり、またひとりと機材を準備しだした。トートバッグの持ち手を握りながら、どんなバンドなんだろう、というわくわくした気持ちのせいでその時間がとても長く感じたのを覚えている。

 その夜見たodd eyesの、たぶん30分もなかったライブに、僕がこれまでで一番の衝撃と影響を受けた。夜の川端通りを丸太町から宝ケ池まで、ゆるやかで長い坂道で自転車をこぎながら、僕は自分がなにをしたくて石川から京都に出てきたのかを思い出していた。とにかくはやく家に帰って、レコードを聴いてギターを弾かなくちゃいけない気がしていた。