日本新記録をマークし4位に入った大迫傑=東京都千代田区

日本新記録をマークし4位に入った大迫傑=東京都千代田区

 東京五輪男子代表選考の対象となる東京マラソンが1日、東京都庁前から東京駅前までのコースで行われた。大迫傑(ナイキ)が自らの日本記録を21秒上回る2時間5分29秒をマークし、日本人最上位の4位に食い込んで代表に大きく前進した。最終選考会のびわ湖毎日(8日)で日本記録を上回る選手がいない場合は、大迫が代表に決まる。
 レースは序盤から高速ペースで展開し、大迫は井上とともに先頭集団で走った。23キロ付近で先頭集団から後れたが、32キロ付近で井上を抜いて日本人トップに立った。

■涙の理由は「プライベートなので…」

 最後の曲がり角、大迫は右手でガッツポーズを何度も繰り出し、雄たけびを上げた。日本人トップの4位でフィニッシュし、東京五輪代表を大きく引き寄せた。直後のインタビューで涙を流すほど、気持ちが揺さぶられていた。「いろんな感情があった。内容はプライベートなので内緒にしておきます」と涼しい顔で言った。
 序盤から井上とともに、2時間3分台に挑む先頭集団に食らい付いた。23キロ付近で一度は集団から離れたが、「リラックスして自分のリズムを立て直そうと思った」と、高速レースの中で乱れた走りを整えてみせた。ペースを上げて32キロ付近で井上に追いつくと、ライバルの苦しそうな表情を確認し、軽やかに抜き去った。
 残り約10キロでは、大会前にケニアの高地を一人で走り込んだ成果が出た。2018年10月にマークした自らの日本記録を21秒更新。昨年9月の代表選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」では2位に5秒及ばず3位で代表決定を逃したが、五輪選考対象となる大一番で自らの手で代表権をつかむ道を選び、その力を証明した。
 海外に練習拠点を置く28歳。早大時代から世界との戦いを見据えた練習に挑み、孤高の雰囲気が漂う。「単純に自分が速くなることだけを考えている。まだ改善点はある。東京五輪代表になれることを信じて、準備したい」。静かに、はっきりとした口調で言い切った。