障害者の姿が見えない-。東日本大震災の直後、被災地からの報告に「置き去りにされているのでは」と思い当たった人たちがいた。映画「星に語りて」(松本動監督)は障害者の困難と支援者の活動を描く▼避難所では周囲の目は冷たく、必要な配慮も受けられない。やむなく、半壊した自宅に戻って孤立する障害者。移動は困難で情報や物資が届かない。「みんな大変なので」と諦める家族。各地からの支援者が安否確認をしようにも個人情報保護法が立ちはだかる▼「ほぼ実話です」と話すのは亀岡市の社会福祉法人理事長の西村直さん(64)。事業所の全国組織「きょうされん」前理事長で、映画の製作統括を担った。福島県南相馬市で支援活動をした一人だ▼震災で障害者の死亡率は住民全体の約2倍との調査がある。昨日は震災関連死の24%が障害者との記事が載った▼震災から9年。災害が相次ぎ、自治体の地域防災計画や避難所運営の見直しが進む。混乱の中、自分や家族だけでなく、周りの弱者を助けられるだろうか▼「困っている人が遠慮なくSOSを出せて、命を守れるよう、再点検が必要」と西村さんは訴える。映画は京滋など各地で上映される予定だ。災害時にどんな理不尽なことが起き、何が必要か。見れば気付かされることは多い。