新型コロナウイルスの感染防止策として安倍晋三首相の要請を受け、全国の大部分の小中高校で臨時休校が始まった。

 突然の表明から週末を挟み4日後の実施である。各校は子どもを預かったり、最後の授業をしたりと対応に追われた。春休みを含めれば、児童・生徒が1カ月近く学校を休むという事態になる。

 学校現場や保護者らの混乱は続いており、できる限りの対策を急ぐべきだ。

 課題は山積している。低学年の子どもがいる共働きや一人親の場合、預けられる場所がなければ仕事を休まざるを得なくなる。

 パートなどの非正規で働く人にとっては、解雇や収入減に結びつく深刻な問題だ。

 安倍首相は2月29日の記者会見で、休職する保護者の所得減少対策として新たな助成金の創設を表明した。

 10日程度で第2弾の緊急対策を取りまとめるという。どれだけ実効性を持たせられるか、スピーディーできめ細かな対応が求められるのは言うまでもない。

 すでに各自治体などでは地域の状況を踏まえてどのような対策が取れるのか、知恵を絞っている。

 やはり子どもの居場所確保が大きな問題として浮上している。湖南市は自宅で過ごすのが難しい家庭の子を学校で預かることにし、初日は市内全児童の約2割に当たる598人を受け入れた。

 政府は原則開所するよう求めた学童保育に関し、急きょ小学校の空き教室を活用するとした。

 現場で取り組まれている工夫を柔軟にサポートする姿勢が欠かせない。特に学童保育に関しては必要となってくる施設や人員の確保に努めてほしい。

 今回のウイルスには未解明の部分が多い。引き続き、手洗いなどの対策は大事だ。

 外に出なければ安心というわけではなく、家庭内でも感染防止に気をつけなくてはならない。

 会員制交流サイト(SNS)などで飛び交うデマにも惑わされないように、冷静な対処を心掛けたい。

 休校要請の2日後に行われた首相の記者会見では、なぜ全国一斉なのかという判断の根拠は具体的に示されなかった。

 国民の不安や疑問に誠実に答えようという姿勢に乏しかった。

 首相はきのうの参院予算委員会で、専門家の意見を聞いたのではなく「私の責任で判断した」と答弁した。混乱を広げぬよう、十分に責任を果たしてほしい。