季節風によって京丹後市に流れ着いたごみを集めるボランティアたち(1日、京丹後網野町浅茂川)

季節風によって京丹後市に流れ着いたごみを集めるボランティアたち(1日、京丹後網野町浅茂川)

 絶え間なく海岸に漂着するごみの処理を巡って、海沿いの自治体は苦悩している。回収の在り方や処分費、そして処分場所。自治体に委ねられた負担は重い。府内で最も長い海岸線を抱える京丹後市ではごみを埋める最終処分場の容量が圧迫され、府外に持ち出している現状がある。

 冷たい潮風がすさぶ網野町の八丁浜近くの海岸。有志のボランティア15人が1日、打ち上げられたごみを掃除していた。流木や漁具、ポリタンクなどプラスチック類、人の体を超える大きさの物さえある。呼びかけ人の坂口正さん(73)は「全て人の手。集めたごみをボランティアが処理場にまで運搬しなければならない場所もあり、回収も難しい」と話す。絡み合うごみは分別しにくく、大半が最終処分場での埋設処分を待つ。

 京都府内54カ所の海岸のうち、半数以上を抱える同市では回収した漂着ごみの総量は年間二、三百トン台で推移し、大型台風や西日本豪雨などの災害が相次いだ17、18年度には1366トン、1564トンにも上った。

 こうしたごみの回収は市から委託を受けた地区の住民らが実施する他は、ボランティアらの善意に依存する。保全区域に指定されていない海岸や人の手が届かない場所は、事実上放置状態になっている所もある。

 回収・処分にかかる費用は、09年に制定された海岸漂着物処理推進法に基づき、国が補助する。制定時は国の全額負担であったが、漂着物の増加が予算を圧迫し、15年度からは国が負担率を徐々に減らした。そのため、現在は補助が8割に縮小し、減額分は海岸を管理する府や市が肩代わりしている。過去には府が国から補助を得られなかった分の府管理海岸も市の予算で清掃したこともある。

 予算以上に深刻なのは、漂着ごみを埋める最終処分場の容量だ。埋め立てごみの総量に対し、漂着ごみは約7割を占める。市内の3施設が埋め立て率60~70%台のなか、海に近い網野最終処分場に至っては90%を超え、終期を迎えている。

 最終処分場の寿命を想定以上に縮める漂着ごみに、危機感を募らせた市は13年からごみの処分を市外の業者に委託し始めた。処理費が上乗せでかかるため、当初は約50トンの持ち出しだったが、今年は全体の9割近い238トンを三重県の業者に委託する。市生活環境課の志水丈浩課長は「海岸を持つ市として漂着ごみの清掃はしっかりやっていかないといけない。でも、市民のごみが受け入れられなくなる懸念もあり、外部への持ち出しも仕方がない」と話す。

 政府が昨年5月に閣議決定した海岸漂着物処理推進法の基本方針では「内陸域から沿岸域までの流域圏で関係主体が一体となった対策を実施すること」と明記した。マイクロプラスチック問題のようにごみの処理の在り方に対する議論の深まりを期待したい。