試薬キットについて説明する開発担当者(京都市中京区・島津製作所)

試薬キットについて説明する開発担当者(京都市中京区・島津製作所)

 島津製作所は4日、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、ウイルス検査用の試薬開発に着手したと発表した。独自技術により遺伝子抽出作業が不要となり、検査の短縮や省力化に寄与する見込みで、早ければ今月中の出荷開始を目指す。

 現在行われている検査はPCR法と呼ばれ、のどの粘液や、たんのような試料に試薬を加え、含まれるウイルス特有の遺伝子配列を専用の装置で増幅して検出する。一般的に、検査を阻害する異物を取り除くため、前工程で試料から遺伝子を抽出し精製する。
 同社はノロウイルスなどの遺伝子検査試薬を手掛けており、異物の影響を抑える物質を試薬に加えることで遺伝子抽出を経ずに検査を可能にする技術がある。この技術を応用し現在2時間ほどかかる検査時間を最大で半分程度まで短縮する。
 来週にも実検体を使った試験を始め、結果が得られ次第生産を開始し、研究用として検査機能のある医療機関や受託検査会社向けに販売する。1キット100検査分で、当初は月産最大5万検査分程度を見込み、状況を見て増産する。