女性に突然届いたショートメール。「不在のため荷物を持ち帰った」という趣旨の内容とサイトのアドレスが記されている(画像の一部を修整しています)

 佐川急便を装ったショートメールが送られてきたと、広島市安佐南区の主婦(68)から無料通信アプリLINE(ライン)でメールの写真が編集局に届いた。調べると、「不在のため荷物を持ち帰った」とのショートメールを送り付け、偽サイトに誘導して個人情報を盗んだり金を詐取したりする詐欺の手口で、中国地方では2018年7月ごろから相談が相次いでいた。

身に覚えなければ 下手に触らず相談を

 18年12月、女性に送られてきたショートメールには「お客様宛にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました。下記よりご確認ください」というメッセージと、「sagawa」の文字を含むアドレスが記されていた。

送信相手も被害者

 表示されていた送り主の電話番号に連絡すると「番号は現在使われていません」のアナウンスが流れた。記者の同僚から「自分にも同じようなメールが届いた」と聞き、早速、相手先の番号に電話した。電話に出た男性にメールが届いたと告げると「ご迷惑をお掛けしました。実は私も被害に遭ったんです」と予期せぬ返答。男性は北海道在住の33歳の会社員だった。

知らぬ番号に40通

 男性によると同様のショートメールが18年11月下旬に届き、記載されていたアドレスにアクセスすると佐川急便のホームページ(HP)そっくりのサイトにつながった。画面の指示通りに操作し、アプリをインストールした瞬間、ショートメールが勝手に送信され始めた。約3分かけてアプリを削除したが、送信履歴を見ると知らない電話番号に約40通が送られていた。同僚はその一人だった。

クレカ番号も悪用

 広島県警サイバー犯罪対策課の久保裕史次席に聞くと、佐川急便を装ったショートメールから偽のサイトに誘導し、不正アプリをインストールさせてスマートフォンの情報を盗んだり、遠隔操作したりする手口という。すべての情報が盗まれ、クレジットカードの番号などが悪用され、身に覚えのない物品の代金を請求されることもある。
 広島県内では18年7月中旬から11月末までに約110件の相談が寄せられ、電子マネーカードやクレジットカードの不正利用などでそれぞれ数万円を詐取される被害も出た。中国地方の他県でも相談が複数寄せられている。佐川急便もHPで注意を呼び掛けている。
 久保次席は「ショートメールは数字をランダムに打ち込めば簡単に送ることができ、誰でもメールを受け取る可能性がある。身に覚えのないメールが来たら絶対にURLなどを開かず、警察に相談を」と話す。

(中国新聞)