京都府立医科大付属病院の藤田直久・病院教授

京都府立医科大付属病院の藤田直久・病院教授

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて全国で学校が休校になる中、子どもたちのために気をつけるべきことは何か。感染症を専門とする京都府立医科大付属病院の藤田直久病院教授に聞いた。

-休校の間、子どもはどこで、どう過ごすべきか。
 「外出せずに自宅で過ごした方が望ましいが、そうもいかないと思う。学校の教室のように、数十人が密閉した空間で過ごすのは感染リスクを高めるが、例えば公園で子どもが遊ぶようなことは問題ないだろう。ただ、感染リスクの高い場所について明確な線引きはない。図書館やショッピングモールなどは問題ないのか、と問われればはっきりした科学的な知見はないのが現状だ」

-症状がなくてもウイルスに感染しているケースがあるという。
 「確かにそうだが、世界保健機関(WHO)は無症状の感染者が他人にウイルスをうつすことはまれだとしている。熱やせきがあるのなら自宅で待機したり病院へ行ったりするべきだが、そうでないならば過敏になる必要はない」

-学校の一斉休校には批判もある。
 「本来は大人たちの移動を制限したいのだと思われるが、そうすると経済的に大きな打撃となる。そうした背景もあって、子どもを対象にした面はあるだろう。ただ実際に、大人を含めてインフルエンザが流行した時も休校にすれば収まるということは知られている。それを拡大した措置だとみれば、理解はできる。何が本当に有効な対策なのかは、専門家でも見極めが難しい」

-子どもを含め各自ができることは何か。
 「石けんと流水による手洗いは感染予防の基本であり、今一度見直してほしい。トイレの後、仕事の前と後、食事の前、くしゃみをした後、家に帰った直後など、小まめな手洗いは感染を防ぐ。手を不用意に口や目や鼻に持っていかないことも大切。手に付着した病原体は目や口、鼻の粘膜から感染するからだ。せきや発熱など症状のある人は感染を広めないためにマスク着用は必須となる。一方、マスクの感染予防への効果は明確ではない。マスクを過信しないことも重要だ」