きょうは「国際女性デー」。女性への差別に反対し、地位の向上を求める日である。女性の置かれた現状を男性とともに考える日にしたい。

 性暴力を告発する動き「#MeToo」が世界的に注目される中、日本でも女性たちが声を上げる動きが広がっている。

 一つは昨春、性犯罪に対する無罪判決が4件相次いだのをきっかけに始まった性暴力撲滅を訴える「フラワーデモ」だ。

 被害を訴える人に「あなたの話を聞く」と寄り添う気持ちを表すため、参加者は花を持って集まる。デモといっても、行進やシュプレヒコールはなく、男性も参加する。

 東京と大阪で始まり、原則毎月11日に実施してきた。この3月で一区切りとするが、共感の輪が広がり、今では京都や滋賀など全国に拡大した。

 元TBS記者による性暴力被害を訴え、民事裁判の一審で勝訴したジャーナリストの伊藤詩織さんは、フラワーデモについてこう話す。

 「語れる人は語り、今は語らない人はそばで耳を傾ける。大きなグループセラピーのよう。4年前はこうした場ができるとは想像もつかなかった。見える風景が違う」

 もう一つは昨年、職場でヒールのある靴を「女性のマナー」として強いられるのは苦痛だと訴え、共感を広げた「#KuToo」の活動だ。

 長時間履くと足のけがや腰痛につながることから、インターネットで集めた反対署名は3万人を超えた。

 企業社会が求める「女性のマナー」や「女性らしさ」に潜む性差別やハラスメントについて改めて考えた男性は多いのではないだろうか。

 おかしいと思う差別を言葉にし、声を上げ、大きな塊にしていかなければ、社会は変わらない。それは女性だけでなく、男性にも問われていることだ。

 日本は国連の女性差別撤廃条約を1985年に批准し、そのための国内法の整備として男女雇用機会均等法も制定した。

 それらによって取り組みは一定進んだが、国際的にみれば実態は大きく立ち遅れている。

 世界経済フォーラムが発表した2019年の「男女格差報告」で、日本は153カ国のうち過去最低の121位に沈んだ。先進7カ国では最下位だ。

 特に政治分野は144位と深刻だ。地方議会で総定数に占める女性議員の割合は14%、EU各国の平均は30%超で、2倍以上の開きがある。国政レベルでも衆院約10%、参院約23%にすぎない。閣僚も19人中3人にとどまる。

 115位の経済分野も、管理職に占める女性比率は12%にすぎず、安倍晋三政権が掲げる「女性が輝く社会」とは程遠い。

 背景には「男性は仕事、女性は家庭」という根強い考え方があると言われるが、それは男性に長時間労働を強いてきた要因の一つでもあろう。

 「女性らしさ」「男性らしさ」といった刷り込みを超え、性差別のない豊かな関係を築いていく。そのための努力が社会全体にまだまだ足りない。