日本の路線バスは京都市が発祥という。日本バス協会によると、1903(明治36)年に堀川中立売と七条駅、祇園間で運行が始まった。蒸気自動車を改造し、ほろもない6人乗りだったそうだ▼全国で約6万台の路線バスが走るいま、京都府精華町の関西文化学術研究都市で活躍するのは130人乗りである。車体二つを蛇腹でつなげたような姿で、後部に「全長18メートル追い越し注意」と記すほど長い。府内初の「連節バス」だ▼大型バスの定員が80人程度なのに比べて輸送量は段違い。通常のバスと同じ免許で運転できる。奈良交通が2年前から、平日の朝夕に輸入車を走らせている。「企業立地が進み利用客が増えた。乗客の混雑や道路渋滞の緩和につながる」と同社は強調する▼国土交通省の調べでは、路線バス事業の収支は三大都市圏に限ると黒字だが、全国では毎年赤字となっている。地方では不採算路線の廃止や減便も迫られる。沿線住民にとっては深刻だ▼全国で共通する難題は運転手不足だ。ワンマンで大量輸送できる連節バスに商機があるとみて国産メーカーも参入、先月には横浜市に初めて納車した▼発車から約120年。マイカーを持たない若者や運転免許を返納する高齢者も増えている。暮らしを支える路線バスの役割が見直されている。