五輪代表を決め、ワコールの永山監督と抱き合って喜ぶ一山(名古屋市・ナゴヤドーム)

五輪代表を決め、ワコールの永山監督と抱き合って喜ぶ一山(名古屋市・ナゴヤドーム)

 京都を拠点にするワコール女子陸上部で力を伸ばした一山麻緒(22)が、8日に行われた名古屋ウィメンズマラソンで東京五輪の最終切符をつかんだ。故郷の鹿児島県出水市から応援に駆けつけた両親や恩師をはじめ、ワコールや京都ゆかりの陸上関係者が快走を喜んだ。

 「信じられない。うれしいというより、気持ちの整理ができない」と父の剛さん(52)はフィニッシュ地点のナゴヤドームで興奮気味に語った。レース前日の7日午前、母の優子さん(50)は娘から「調子上がっているから、今までのレースとは違ういいレースを見せます」との決意をLINE(ライン)で知った。今まではレース後にやりたいことを伝えてきたのに、初めてレースへの決意を込めた内容だったため、驚いたという。「お世話になった人たちにも『期待してください』とメッセージを送っていて、精神的に大人になったと感じた。これから大変だけど、笑顔を忘れず、気持ちは明るく前向きに」と笑顔でエールを送った。
 小学6年生まで水泳に打ち込んだ影響で心肺機能が高く、校内マラソン大会は1位だった。出水中央高では全国高校総体に出場した。陸上部で指導した黒田安名さん(65)は「意識がとても高い、有言実行の選手だった。女性の企業イメージが強いワコールで走りたいと熱望していた」と振り返る。高校の入学パンフレットには「五輪に堂々と出たい」と、コメントを寄せていたという。
 ワコール1年目から、福士加代子選手の背中を追い、全国女子駅伝など駅伝で活躍した。アテネ五輪マラソン金メダルの野口みずきさん(41)は「福士さんの背中を見ながら影響を受けたと思う。福士さんの存在はとても大きい」。ワコールでトレーナーを務める中田佳和さん(58)は「永山監督が個性に応じたきめ細やかな練習を組み、一山選手がしっかりやりきった」とたたえた。京都陸協の田中セツ子会長は「すばらしい走りだった。京都の若い選手の励みになる」と喜んだ。