昨年の「お松明式」(2019年3月15日、京都市右京区・清凉寺)

昨年の「お松明式」(2019年3月15日、京都市右京区・清凉寺)

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、京都市右京区の嵯峨釈迦堂(清凉寺)はこのほど、毎年3月15日に行う「お松明(たいまつ)式」を今年は中止することを決めた。「五山送り火」「鞍馬の火祭」と並ぶ「京都三大火祭」の一つで、早春の京を彩る行事として知られる。主催者によると、中止は初めて。

 清凉寺のお松明式は、釈迦の遺徳をしのぶ「涅槃会(ねはんえ)」の行事の一環。高さ約7メートルの松明3本が夜空を焦がす。
 今年の実施については、鵜飼光昌住職が地元の「嵯峨お松明式保存会」の役員らと今月上旬から話し合を重ね、参拝者の感染予防のため中止を決めた。
 涅槃会の法要は規模を縮小して例年通り行うが、年明けから材料を集めるなどの準備を進めてきた保存会の妻鳥満会長(78)は「物心ついた時からお松明式が中止になった記憶はない」とし、「藤づるや松といった素材は年々集めにくくなっており、今年もやっとの思いでそろえた。残念で仕方がない」と話した。
 お松明式に合わせて行われる国重要無形民俗文化財の「嵯峨大念仏狂言」特別公演も中止が決まった。4月に行う春季公演についても延期が決まっているという。