「ほのぼのサービス」を利用する1人暮らしのお年寄りの元を訪ねる協力員(右)。何度も顔を合わせるうちに仲も深まり、会話に花が咲く=笠置町笠置

「ほのぼのサービス」を利用する1人暮らしのお年寄りの元を訪ねる協力員(右)。何度も顔を合わせるうちに仲も深まり、会話に花が咲く=笠置町笠置

 京都府内で最少人口の笠置町で、65歳以上の割合を示す高齢化率が今年2月末に、府内の自治体で初めて50%を超えた。5月末時点の人口はさらに18人減の1308人で、高齢化率も上昇を続ける。

 高齢化率が50%を超え、税収低下や医療・福祉にかかる負担が増して存続が危ぶまれる自治体は「限界自治体」とも呼ばれる。高齢化率が40%を超える自治体は伊根町や南山城村など府内にいくつもあり、いずれ笠置町と同じ道をたどることが予想される。この問題に地域はどう向き合えば良いのだろうか。

 笠置町では、「老々支援」ともいえる取り組みを行う。町社会福祉協議会と老人クラブが協力し、住民同士が助け合って困りごとを解決する「ほのぼのサービス」だ。

 依頼主は1人暮らしのお年寄りが多く、支援する協力員もまた、老人クラブ会員の60~80代が中心。庭の草刈りや買い物代行、入院に備えた荷造り、獣害の防護柵作りなど可能な範囲で要望に応える。

 4年前の開始から年々利用者が増え、昨年度は124件とその前の年度から倍増した。町は本年度から府の補助金を活用し、利用料値下げや協力員の報酬増額を行った。ほのぼのサービス代表の中尾和廣さん(81)は「いつか自分も助けてもらう時が来る。住み慣れた地域で暮らし続けたい人のために、元気なうちは手を差し伸べたい」と話す。

 ただ、支え合うだけでは根本的な問題解決にならない。町の高齢化率を押し上げる要因の一つが、若い世代の転出と少子化だ。町内では20~30代の住民が200人を割った。出生数も2014年にゼロになって以降、年間1~5人で推移し、笠置小の児童数も本年度は26人と12年前から3分の1以下に減った。

 そこで町は本年度、同小の少人数できめ細やかな教育環境をセールスポイントに、外部から児童を呼び込む「こども留学プロジェクト」を立ち上げた。三大都市圏の企業から社員らを受け入れ、その知見を地域活性化に生かす「地域おこし企業人」制度によって旅行会社から迎え入れた職員を担当として、今夏に体験宿泊を企画。来年度以降の留学制度導入を検討する。

 笠置町は全国で二番目に人口が少ない町だが、最も少ない山梨県早川町は16年前から山村留学に取り組んでおり、本年度の児童数は37人と笠置町より10人以上多い。早川町教委によると、毎年1~3家庭が留学し、さらにこの5年間では年に2、3家庭の定住につながったという。こうした好事例を参考にしたい。

 「笠置が限界自治体に」との報道を受け、町幹部は自身のSNSに「『日本の地域課題を克服する最先端自治体』として挑戦していく気持ちがより強くなった」と記した。ぜひ高齢化が進む他地域の手本を示し、「限界突破自治体」を目指してほしい。