新型コロナウイルスの感染拡大が、地域経済に深刻な打撃を及ぼし始めている。

 感染の発生源となった中国からの部品調達が滞ったことに加え、国内で外出を控える人が増えており、日銀の黒田東彦総裁は先日の国会で1~3月の景気が当初見通しより悪化していると答弁した。

 日本商工会議所によると、全国の中小企業の約6割が事業に影響を受けているという。

 感染の終息が見通せない状況に企業の不安は増している。事業への影響を詳細に把握し、支援制度を柔軟に運用するなど、企業の実態に即した対策を進める必要がある。

 9割超を中小企業が占める京都府と滋賀県でも、政府がイベント自粛を要請する前の2月上旬時点で、すでに売り上げ減などのダメージが出ている。

 信用情報会社の東京商工リサーチの調査では、企業活動への影響が「すでに出ている」、「今後出る可能性がある」とした回答が、京都に本社を置く企業で75%、滋賀も69%に達した。

 製造業や卸売業、小売業を中心に影響が大きかったが、今後、内需型の産業にも拡大するとみられる。業種や業態を問わない支援が重要になる。

 政府は、感染拡大で売り上げが急減した中小企業向けの特別貸付制度を創設すると表明した。日本政策金融公庫などを通じて、無利子・無担保で融資するという。

 当座の資金繰りには有効と言えよう。申請手続きを簡素化するなど、利用しやすい制度にする必要がある。

 ただ、企業にとっては、感染が終息しても「借金」として負担が残ることになる。借り入れより、廃業を選ぶことにならないかが懸念される。融資だけにとどまらない対策が必要だろう。

 中小企業には経営基盤が弱い事業所が多い。自治体や商工団体などと連携し、感染終息後の事業継続も見通した、息の長い支援が求められる。

 中小企業を支える従業員への支援も欠かせない。

 学校が臨時休校になる中、特に小規模事業所では人手が足りず、無理をして出勤しなければならない社員もいる。仕事が減り、解雇されたり、収入の見通しが立てづらくなったりする従業員が出る可能性もある。

 安心して仕事ができる環境も事業の継続に重要だ。事業主は従業員の働き方や雇用にも気を配ってほしい。