新型コロナウイルスの影響で観光客が減っている「かやぶきの里」(南丹市美山町北)

新型コロナウイルスの影響で観光客が減っている「かやぶきの里」(南丹市美山町北)

亀山城跡の見学中止を知らせる看板(亀岡市古世町)

亀山城跡の見学中止を知らせる看板(亀岡市古世町)

 新型コロナウイルス感染拡大により、京都府丹波地域の観光業界に深刻な影響が出ている。訪日外国人客だけでなく、自粛ムードで国内旅行者や団体客も激減、大規模イベントや地域の伝統行事も中止が相次いでいる。

 京の奥座敷と呼ばれる「湯の花温泉」(亀岡市薭田野町)では、2月28日現在でキャンセルは2千人に及び、1億円の損失が出ている。6旅館が加盟する湯の花温泉観光旅館協同組合によると、会社の宴会など団体客を中心にキャンセルが続出。5月分の予約までキャンセルがあるといい、奥村昌信・同組合代表理事は「損失は1億円どころではない。感染対策を徹底し、終息後に安心して来訪いただけるよう努力するしかない」と嘆く。
 放映中の大河ドラマで注目が集まる戦国武将、明智光秀が築いた旧亀山城跡の大本本部(同市荒塚町)は、31日まで見学者の受け入れを休止している。
 亀岡で初開催の予定だった美術展「大京都」も3月中の実施を断念。全国各地のアーティストが同市内に約2カ月滞在し制作した作品を公開する企画だが、作家らはいったん亀岡を離れる。府や市などでつくる実行委は、来年度に開催できるよう調整している。
 影響は、伝統行事にも及ぶ。同市篠町の念仏寺で15日に開催予定だった涅槃会(ねはんえ)が中止となり、マムシよけのお守り「ハナクソ(花供)」の授与も取りやめた。ハナクソは、檀家が手作りする米粉の団子で、授与は春を告げる風物詩として親しまれており、地元住民からは中止を残念がる声も多い。
 南丹市美山町北の国の重要伝統的建造物群保存地区「かやぶきの里」では、台湾や中国などからの訪日外国人客を乗せた大型バスの乗り入れが大幅に減っているといい、北村かやぶきの里保存会の中野忠樹会長は「体感で6~7割ほど、お客さんが減っている。かなり苦しいが耐えていくしかない」と語る。
 同里近くの宿泊施設「美山町自然文化村河鹿荘」(同町中)でも訪日外国人客の宿泊や昼食のキャンセルが相次ぎ、5月までの予約で約千人分に上るという。「今年は暖冬で雪がなかったことに加え、さらに厳しい状況だ。ゴールデンウイーク前には少しでも収まってほしい」と、同村の高御堂厚館長。
 一方、同市園部町大河内の「京都るり渓温泉 for REST RESORT」では、快適な設備のテントで宿泊する「グランピング」の3月の利用者が昨年より2割ほど多いという。江口翼総支配人は「山の上にあって屋外での食事な上に、換気が良い状況で過ごしていただけるので人気が出ているのでは」と推測する。