プチシャレ代表の小林さん

プチシャレ代表の小林さん

 世界のチーズのおいしさを知ってもらいたいと、築100年以上という実家の町家を改装し、小林雅さんはチーズ専門店を京都市東山区新宮川町通五条上ルに開店した。店舗では、美しく盛り合わせる欧州発の「チーズプラトー」など、チーズの魅力を発信している。
 シングルマザーで仕事と育児に追われた日々の中で、チーズに癒やされたのが起業のきっかけだった。長男が小学生だった30代のころ、働きづめから過労でうつになり入院。3年に及んだ自宅療養の最中、ソムリエが主人公のドラマに励まされた。その後、天ぷら料理店で働きながらソムリエの資格を取得。その勉強の際に出合ったのがフランスのチーズだった。柔らかく、こくのある味わい。「ひっくり返るほどおいしい」と驚き、チーズにのめり込んだ。
 チーズの歴史は古く、世界には千種類以上があるといわれる。製造工程に多くのバリエーションがあり、牛乳だけでなく、ヤギやヒツジの乳も使う。百貨店や高級スーパーのチーズ売り場で接客するうち、チーズを誤解している人が多いと感じた。多彩なおいしさを知ってもらうためにチーズの専門家になろうと決意。フランスで研修を受け、国内最高峰のチーズ品評会で審査員を務めるなど、研さんを重ねた。長男が30歳を過ぎたのを機に、昨年8月、生まれ育った実家を改装し、念願の店舗「プチシャレ(フランス語で小さなチーズ小屋)」を開店した。
 訪れる客とチーズとの出合いの場を目指し、イタリアやフランスなどの厳選したチーズ20~30種類やワインを扱う。イートインコーナーもあり、希少価値の高い水牛乳から作るモッツァレラチーズのサンドイッチや、ゴルゴンゾーラチーズの白みそ漬けが人気だ。
 チーズを弓形に切って飾るチーズプラトーは年末年始、プレゼントやパーティー用に注文が相次いだ。これからはバレンタインや母の日などのギフトとしてもチーズプラトーを提案したいという。「チーズには文化や歴史が反映されている。おいしい上に、背景を知ると感動がある。チーズで人生が広がる体験をしてほしい」と意気込む。

 こばやし・みやび 西京高卒。都市銀行を結婚退職後、飲食店や百貨店などで勤務した。チーズの専門家資格CAFAJフロマジェなどを取得。ジャパンチーズアワードの審査員やチーズプロフェッショナル協会の講師も務めた。東山区在住。55歳。店舗の営業時間は午前11時~午後10時。火、水、木曜定休。