ろうそくをともして祈りをささげる住民ら(11日午後7時31分、京都市伏見区・元向島中)

ろうそくをともして祈りをささげる住民ら(11日午後7時31分、京都市伏見区・元向島中)

 京都市伏見区の向島ニュータウンで11日夜、東日本大震災の慰霊や復興の願いを込めてろうそくに火をともす催しが行われた。例年行われてきた「3・11」の形に点火する「メモリアルキャンドル」は、新型コロナウイルス拡大の影響で無期限延期になったが、避難者や住民の強い希望で規模を小さくして実施した。
 メモリアルキャンドルは向島で暮らす福島原発事故の避難者グループ「笑顔つながろう会」と住民有志が毎年、3月11日の前に催してきた。例年は百数十人が参加して500個近いろうそくを数字の「3・11」の形に並べて実施するが、今年はウイルス感染防止の観点から延期を決めた。
 延期決定後、「震災と原発事故を風化させないため11日は何かをしたい」と声が上がった。そこで有志のみの少数の参加とし、ろうそくも約100個に縮小して実施することにした。
 午後6時ごろから避難者と住民約20人が集まり、元向島中の中庭で円形にろうそくを並べて点火した。元向島中に仮入居する障害者福祉施設の職員も加わり、ろうそくを囲んで語り合い、黙とうした。福島県いわき市から避難した女性(53)は「助けられなかった命がたくさんあった。今ここで皆さんとつながっていられるとは9年前は考えられなかった」と話した。