仕事や暮らしの先が見えない不安に応えているだろうか。

 政府は、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策の第2弾を決めた。学校の臨時休校やイベントの自粛などで影響を受ける企業や個人への幅広い支援策を盛り込んだとしている。

 安倍晋三首相は、対策本部会合で「雇用の維持と事業者の事業継続を最優先に全力で取り組む」と強調した。

 ただ、追加対策は当座をしのぐ休業補償と資金繰り支援の色合いが強い。終息が見通せない中、感染拡大に歯止めをかける態勢強化と影響長期化への備えの両面に目配りが求められる。

 第2弾の財政措置は4308億円で、2019年度予算の予備費2715億円の活用などで第1弾の153億円から大幅拡充した。

 その半分以上を占めるのが、学校の臨時休校に伴う措置だ。

 子どもの世話をするため勤め先を休む人の収入補償のため、正規・非正規を問わず日額上限8330円の助成金を支給する。業務委託を受けて働くフリーランスにも日額4100円を補償する。

 他にも、臨時休校で午前中から運営する放課後児童クラブ(学童保育)の追加費用分や、休校中の給食費を保護者に返還するための補助も盛り込んでいる。

 首相の判断で突然打ち出した一斉休校への批判をかわすのに主眼を置いた印象は否めない。「詳細や窓口は未定」の制度も含まれ、急ごしらえの穴埋めといえよう。

 訪日客やイベントの激減は地域経済の打撃となっている。京都のレンタル着物会社はじめ各地で旅館、船会社の倒産や、従業員を自宅待機にする動きも出ている。

 政府は第2弾で中小事業者への低利融資や保証枠を大幅拡大。フリーランスを含む個人事業主や、売り上げが急減した中小企業が実質無利子、無担保で借りられる新たな貸し付け制度も整えた。

 だが、政府要請でもイベント自粛の損失は補償されない。事業主にとって、いつまで影響が続くのか、元通り仕事ができて返済するめどが立たねば「借りようにも借りられない」のが実情だろう。

 先行き不安の連鎖を防ぐには、早期終息に向けた感染防止策が最重要なのはいうまでもない。

 政府は国の一括買い上げによるマスクの配布、ウイルス検査態勢の拡充などの項目を並べたが、状況の改善が国民から見えにくいのが実態だ。より具体的な手だてを示し、不安を和らげていく努力が求められよう。