揃いのエプロンでカレ-を仕込む電子部品会社の従業員たち(亀岡市大井町・京FUJIHARUカレー)

揃いのエプロンでカレ-を仕込む電子部品会社の従業員たち(亀岡市大井町・京FUJIHARUカレー)

ぷりぷりのエビが食欲をそそる1日10食限定の「海老フライカレー」

ぷりぷりのエビが食欲をそそる1日10食限定の「海老フライカレー」

 赤いドアを開けると、店内に漂うスパイシーな香り。市販のルーを一切使用せず3日間かけて煮込んだとろとろのカレーや、福神漬け代わりのピクルスなど、地元産野菜をふんだんに使ったメニューが老若男女の人気を集める。キッチンに立つのは全員、工業製品を扱う企業に勤める女性たちだというから驚きだ。

 京都府亀岡市薭田野町の電子部品製造会社「藤大」が、飲食部門として昨年12月にオープンした京FUJIHARUカレー。本社勤務の約8割が女性で、小さな部品の検査や加工組み立てを担う。だが近年、1993年の創業来苦楽を共にしてきた従業員が、視力低下などを理由に退職を申し出ることもあった。「いつまでも働ける職場に」。そんな思いで、藤田大子社長が飲食店開業を決めた。

 選んだのは「国民食」のカレー。しかし、完成までの道のりは長かった。小鍋でカレーを炊いては近くの本社の従業員に味見を頼み、厳しい意見も受け止めた。全国の有名店に足を運ぶなどして試作を重ね、1年がかりで欧風カレーが完成。藤田社長は「自分たちで一から作り上げることにこだわり抜いた」と振り返る。

 5時間煮込んだスープに、あめ色のタマネギや数種類のスパイスを加えたカレーは、ぴりっとした辛さながら口当たりがまろやかで優しい味だ。1日10食限定の「海老(えび)フライカレー」やボリューム満点の「カツカレー」のトッピングは、食べやすいよう一口大にカット。女性スタッフならではの気遣いも評判を呼ぶ。

 オープンから3カ月。机に向かって黙々と作業してきた従業員らにとって、カレー店は新たな活躍の場となっている。藤田社長は「地域への感謝を忘れず、皆さんがほっとするような温かい店にしたい」と願いを込める。
 

 <京FUJIHARUカレー> 京都府亀岡市大井町並河3の8の22。午前11時~午後5時半(ランチは午後3時まで)。日曜と第2、4月曜定休。0771(20)6383。