「みんなのオンライン授業」の配信風景。パソコンのカメラの前で講師が授業を行い(左)、児童たちの反応も双方向で確認しつつ、進行する=京都市東山区

「みんなのオンライン授業」の配信風景。パソコンのカメラの前で講師が授業を行い(左)、児童たちの反応も双方向で確認しつつ、進行する=京都市東山区

 新型コロナウイルスの感染拡大防止で学校が休みになった小学生に向けて、個性豊かな授業をネットでライブ配信する取り組みを、京都を拠点に活動するグループ「まちのきょういく委員会」が始めた。メンバーは「学校が十分に機能できない今だから、子どもたちが多様な価値観と出会える場を提供したい」と話す。

 「みんなおはよう。今日も一日よろしく」。きょういく委員会の西森寛さん(46)=京都市伏見区=が呼び掛ける。パソコンの向こうには京都や関西、関東などの子どもたち約20人がつながっている。
 この日の1限目の「先生」は、東山区で絵本の読み聞かせや昔語りを行っている満茶乃(まさの)さん(39)だ。テーマは「教科書が楽しくなる音読の魔法」。国語だけでなく算数や社会の教科書を抑揚を付けて読んでみせ、「声に出したら、文章の見え方が変わってくるよ」と語り掛けた。児童からは「算数の長い文章問題が苦手」「教科書ってどこが大切か分からない」と活発に質問が投げかけられた。
 委員会は西森さんと、子育て支援会社代表の松井知敬さん(42)=大津市=が2017年に発足させた。企業や地域でユニークな活動をする人を講師に迎え、児童向けにパズルやゲーム、ロボット製作などの学びのワークショップを京都市内で行う。2月末に政府が学校休校を要請すると対応を協議。「自分たちにできることを」と「みんなのオンライン授業」を企画、今月5日から公開した。
 19日までの期間中、平日に1回40分の授業を3コマ配信する。これまでに簡単な英語教室をはじめ、災害時に取るべき行動を考える授業、パソコンを分解して部品の名前や役割を解説する「解体ショー」、助産師が語る「あかちゃんのひみつ」など、多彩なラインナップを生中継してきた。
 ビデオ会議などに使われるパソコン、スマホ用のアプリ「Zoom」を活用して、講師の自宅や活動場所から授業を生配信する。児童らの反応はモニター上で確認でき、講師と子どもたちを直接つないでやりとりすることもできる。
 西森さんは「公教育では出会えない人や学びと出会える場になれば」と期待し、松井さんも「子どもたちと一緒に、大人も楽しんでもらいたい」と話している。定員は各コマ25人。時間割や受講方法、申し込みは「まちのきょういく委員会」のホームページで。