近畿の最北端、日本海に突き出た断崖にそびえ立つ経ケ岬灯台(京丹後市丹後町)。白亜の塔の背景には、地名の通り経巻をたたんだように複雑な形を描く岸壁や、水平線まで望める紺碧(こんぺき)の日本海が広がっていた。


 この日は澄み渡るような快晴。1898(明治31)年の建造当時から使われ、日本で5灯台にしか残っていない「第1等フレネルレンズ」が、陽光を受けてきらきらと輝く。遠くに目を向けると、豊漁祈願の伝統行事「雄島参り」で知られる冠島(舞鶴市)など、若狭湾の島々も視界に入ってきた。

 

 高さ約12メートルの塔は、崖下の海岸から切り出した岩を運び、約2年を費やして建てられた。灯台を管理する舞鶴海上保安部は、灯台記念日の11月1日前後に内部を一般公開しており、レンズや回転機械を間近で見られる。


 時に風雨や雪にさらされながらも、122年間休みなく日本の海運を支えてきた。日没とともに明かりをともし、行き交う船の旅路をきょうも優しく照らす。