東京五輪を目指し、龍大時代に慣れ親しんだ京都で調整する渕瀬(西京極補助競技場)

東京五輪を目指し、龍大時代に慣れ親しんだ京都で調整する渕瀬(西京極補助競技場)

 陸上競歩女子20キロの前日本記録保持者で龍谷大出身の渕瀬真寿美(33)=建装工業=が、同種目の東京五輪代表を目指して15日の全日本能美大会(石川県)に挑む。ロンドン五輪にも出た実力者だが、長年の蓄積でフォームを崩し、原因不明の「右脚が外れてしまいそうな感覚」を抱える。重要なレースを前に京都などで調整を重ね、もがきながら自らの「歩き」と向き合っている。

 渕瀬は須磨学園高(兵庫)を経て龍谷大へ。駅伝でも活躍した脚力で2、4年時に日本記録を樹立。1時間28分3秒の記録を10年間保持し、12年ロンドン五輪や翌年の世界選手権に出場した。
 だが「元々左に傾いていたフォームを直そうとして崩れた」。微妙なずれはけがにつながり、両膝や股関節などを次々に傷めた。16年リオデジャネイロ五輪も逃し、この頃から脚の症状が出始めた。「突然力が入らなくなり、脚が狂ってしまう感じ。レントゲンにも映らず原因が分からない」という。
 17年には、所属していた大塚製薬を退社した。苦しい時期に挑んだのが50キロ。4時間を超える過酷な距離に挑む女子はまだ少ないが、渕瀬は持ち前のスタミナで19年に4時間19分56秒の日本新を出し、正式採用された同年の世界選手権に6年ぶりに出場した。
 復調の兆しをつかみつつ、昨年6月から実家のある兵庫県姫路市に拠点を移した。大学時代の恩師である西出勝・前監督の協力も得て、龍谷大の男子選手とも練習に励む。能美大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で国際審判員の数が足りず、目標の五輪参加標準記録(1時間31分0秒)を突破しても認定されないが、順位争いが重要になる。「2位以内に入れば五輪が見えてくる。練習は積めている」と強い覚悟を示す。