【資料写真】京都大学

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 筋肉が萎縮する遺伝性の難病「筋ジストロフィー」の患者へゲノム編集を施し治療につなげる新たな技術を開発したと、京都大iPS細胞研究所などのグループが発表した。的確に目標とする遺伝子を変化させることができ、遺伝子の変異に原因があるさまざまな病気への応用も期待できるという。英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに13日掲載された。

 研究の対象は「デュシェンヌ型筋ジストロフィー」。筋ジストロフィーの中でも症状が重く、国内には約3500人の患者がいると推定されている。
 同研究所の堀田秋津講師らは既に、患者から作ったiPS細胞(人工多能性幹細胞)にゲノム編集を施して原因遺伝子の修復に成功している。だが細胞内でゲノム編集の機能が長く続き、誤った遺伝子を除去するリスクがあった。
 グループは、ゲノム編集の機能が比較的短期間だけ続くよう設計した粒子を開発。この粒子を用いて患者のiPS細胞にある原因遺伝子を修復できた。また別のヒト細胞で誤った遺伝子を除去するリスクを低下させられた。リンパ球や神経細胞などにも適用できた。
 堀田講師は「免疫反応の回避など課題はまだある。できるだけ早く患者さんに新たな治療法を届けたい」と話している。