京アニ放火事件で判明した避難行動(2階)

京アニ放火事件で判明した避難行動(2階)

 京都市伏見区のアニメ製作会社「京都アニメーション」第1スタジオが放火され、36人が死亡、33人が重軽傷を負った事件で、避難訓練時に避難誘導を担当していた社員の指示で2階のベランダに出られる窓が発生直後に開けられ、この窓を通ることで18人の社員が屋外へ脱出していたことが13日、関係者への取材で分かった。

 1階から2階に上って火災の発生と避難を呼び掛けた社員がいたことも判明。煙や高熱がごく短時間でまん延したスタジオ内で、危険を顧みずに避難誘導にあたった社員たちの行動が明らかになった。
 関係者によると、出火直後、1階にいた社員が屋内階段を使って2階に上がって「火事だ、逃げろ」と呼び掛け、2階の社員に避難を促した。2階にいた避難誘導係の社員もらせん階段越しに火と煙に気づき、訓練通りに非常ベルを押し、早く窓を開放するよう別の社員に指示した。
 この指示により、2階のベランダに出られる4カ所の窓のうち、北端の窓をそばにいた社員が開けた。黒煙で視界が遮られる状況の中、窓から差し込む光が避難方向を社員に示す効果も生んだとみられる。
 スタジオから屋外に脱出できた37人(後に3人死亡)のうち、2階ベランダからは約7割に当たる25人が地上に飛び降りるなどして脱出した。25人のうち北端の窓からベランダに出た人は18人を占め、いずれも一命を取り留めている。
 階段で2階に上がって早期避難を呼び掛けた社員は、2階北側の窓から飛び降りて脱出したという。
 こうした避難行動はあったが、今回の事件は平成以降最悪の犠牲者を出す放火事件となった。市消防局は、社員の行動を分析した結果を基に、どうすれば命を守れるかを第一に考えた避難行動を解説する「火災から命を守る避難の指針」を策定する。