一斉休校に合わせて無料開放されたラウンジで、子どもたちと話すWeBase京都のスタッフ(京都市下京区)

一斉休校に合わせて無料開放されたラウンジで、子どもたちと話すWeBase京都のスタッフ(京都市下京区)

 近所の地域住民向けに格安宿泊プランを始めたHOSTEL NINIROOM(京都市左京区)

近所の地域住民向けに格安宿泊プランを始めたHOSTEL NINIROOM(京都市左京区)

 新型コロナウイルスの影響で利用客の急減に苦しむ京都市内の宿泊施設が、地元で暮らす人々の「地域需要」を掘り起こし始めた。近隣住民向けのユニークな格安プランが相次ぎ登場。臨時休校中の子どもを預かる試みも広がりをみせ、訪日外国人が激減する大逆風の中で、地域の絆に活路を見いだしている。

 京阪神宮丸太町駅近くで2017年末に開業した「HOSTEL NINIROOM(ホステル ニニルーム)」(左京区)は、地元の「ご近所さん」をターゲットにした「丸太町割(わり)プラン」を3月から1カ月限定で始めた。
 同施設は新型コロナの感染拡大で宿泊キャンセルが増え、2月の客室稼働率は30%に急減。3、4月は20%を下回る見込みという。企業の在宅勤務や旅行自粛が広がる中、「プチ旅行」気分を楽しんでもらう宿泊プランで料金は個室朝食付きで大人1泊3千円、2人以上なら1人2500円。寄宿舎タイプなら2千円と低額で、開始から11日間で37件の予約が入った。
 市内の社会保険労務士事務所で働く女性(31)=上京区=は今月上旬、平日休みを利用して宿泊した。自宅外で勉強できる場所を探していたといい、「カフェは隣の人の咳(せき)も気になるが、ここなら安心」と満足そうに話した。
 上京区のスズキゲストハウスも近隣住民などを対象にした「お昼寝プラン」を始めた。正午~午後3時のチェックインで、カーテン付き2段ベッドの一つを2時間使える。昼寝後は1階ラウンジも利用でき、銭湯入浴券やコーヒー1杯などが付いて1500円。
 鈴木健朗さん(35)、こおりさん(32)夫妻が16年に開業したゲストハウスで、普段は8~9割が外国人客で、3月の稼働率は1割程度に落ち込む見通しだ。企画した健朗さんは「コワーキングや1人でゆっくりしたい人にも利用してほしい」と話す。
 一斉休校となった地域の子どもを受け入れる動きも広がり、綿善旅館(中京区)が13日まで小中学生向けに大広間を開放。下京区のホステル「WeBase(ウィベース)京都」も4月3日まで、府内在住の子どもにラウンジを無料開放している。英語をはじめさまざまな言語を話せるスタッフがいて、日本語が苦手な子どもにも一定対応できる。
 時間は午前10時~午後4時で、土日、祝日も利用可能。軽食付きで1日10人まで受け入れる。3~4月は約350人の宿泊予約のキャンセルが出ているという蓑部亜季子総支配人は、厳しい状況下にも「子どもたちと接し、笑顔を見ることでスタッフのモチベーションが上がる。宿泊施設も地域と共存することが大切だ」と前を向く。