2月中旬に公開されたバレーボール女子日本代表候補の練習。多くの報道陣が取材に訪れていた(味の素ナショナルトレーニングセンター)

2月中旬に公開されたバレーボール女子日本代表候補の練習。多くの報道陣が取材に訪れていた(味の素ナショナルトレーニングセンター)

 新型コロナウイルス感染拡大を受け、東京五輪に向けて予定していた各競技の代表選考や合宿のスケジュールに狂いが生じている。強化を担う京滋関係の競技団体幹部らは頭を痛め、選手のパフォーマンス維持と感染防止対策に追われている。

 「一番困るのは選手たち。メキシコで1カ月半高地練習し、ピークを合わせて現地に入るはずだったが…」。日本カヌー連盟の古谷利彦専務理事(同大出)は声を落とす。五輪出場枠を懸けて26日にタイで開幕予定だったスプリントのアジア選手権が1カ月延期となり、目算が外れた。

 懸念しているのは延期しても開催できない場合、レベルの高い世界ランキングの尺度で出場者を決められることだ。カナディアンの橋本将都(サコス、同大出)ら日本選手には厳しい条件になると想定され、アジア枠を確保できるよう先手を打って国際カヌー連盟と協議を始めている。

 選手強化への影響は大きい。日本バレーボール協会は3月に予定していた6人制男女代表候補チームの欧米遠征を取りやめ、国内合宿に切り替えた。京滋関係は男子が4選手、女子は8選手が名を連ねている。びわこ成蹊スポーツ大元副学長の鳥羽賢二・ハイパフォーマンス事業本部長は「男子は(感染者の多い)イタリアを予定していた。パワーのある海外勢と試合をしたかったが、団体競技は感染者が出ると、チーム全体に広がる恐れがある」と打ち明けた。

 各競技の強化拠点となる味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC、東京都)は現在、外部からの入館者を制限している。関係者によると、感染防止の観点からNTCの選手食堂はビュッフェ形式から配膳方式に変わったという。「NTCで感染者を出したら終わり」との声もあり対策を強化している。

 ライフル射撃は、3月28、29日にNTCで行う代表最終選考会に関し、8日のレスリング代表プレーオフと同様、報道陣を中に入れずに実施する。ピストル種目に吉岡大(京都府警)や山田聡子(自衛隊、水口高出)が出場する。日本協会副会長でもある田村恒彦・選手強化委員長(立命館高-立命大出)は「報道してほしいが、NTCへの入館がお断りの状況ではそうはいかない。選手にも毎回検温して手洗いなどを徹底させている」と理解を求める。