「巣ごもり消費」というらしい。新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控えて自宅で過ごす人が増え、家で食べるカップ麺や冷凍食品、総菜などの売り上げが大きく伸びている▼缶ビール類もよく売れているという。宴会が自粛され、家でグラスを傾ける人が多いのだろう。飲食店に宅配サービスを求める声もあるようだ▼もともと、休日に自宅でインターネット通販を楽しむ傾向が広がっており、単身者の増加で「お一人様」向けのビジネスも活発化していた。他人と関わらずに自宅で完結する消費行動は案外、自然に受け入れられているのかもしれない▼とはいえ、街角では観光客や買い物客が急減し、株価も大きく値を下げている。感染は欧米にも広がり、終息する見通しは立っていない。店の経営にとって厳しい状況は長期化しそうだ▼経済活動の停滞による消費の縮小は、巣ごもり需要で穴埋めできる規模ではなかろう。ただでさえ節約志向の強い消費者の購買意欲をかきたてるのは難しい。従来の発想にこもることなく、柔軟に知恵を絞っていくほかあるまい▼政府が要請した臨時休校は、家でできるカードゲームや学習ドリルの販売も増やしたが、子どもたちの受けとめはどうだろうか。自宅にこもる生活からは、一日も早く巣立たせてやりたい。